「調理」と「料理」の違い・意味と使い方・使い分け

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二つの言葉の共通する意味は「材料を整え口合うように加工し、食べ物を作ること」です。

「料理」は、広く一般的に使用される言葉です。

様々な材料を整え、いろいろな方法で食べられるように加工することです。

一方、「調理」は、特に、大勢の人たちに食事を提供する場合に使われます。

「料理」も「調理」も料理を提供することに変わりはありませんが、「調理」は、免許を得て業務用に多くの人に料理を提供する場合に使われます。

「調理」の意味

「調理」は、「料理すること」です。

「調理師」「調理パン」「調理実習」「調理台」のように使います。

「調理師」は、都道府県知事の免許を受けて、食品の調理の業務を行う人のことです。

1958年の調理法の交付により法制化されました。

調理師法では、飲食店には調理師を置くよう定められています。

一方、「料理人」は、一般的に料理をすることを生業とする人のことです。

和食に関する場合、「板前」と呼ばれます。

上記のことから、「料理」も「調理」も料理を提供することに変わりはありませんが、「調理」は、免許を得て業務用に多くの人に料理を提供する場合に使われます。

「料理」の意味

①「はかりおさめること」「物事をうまく処理すること」という意味です。

「敵を料理する」「挑戦者を軽く料理する」のように使います
?「食物を作ること」「その作った食べ物」「調理」という意味です
「魚を料理する」「一品料理」「フランス料理」「家庭料理」のように使います

類語には、「調理」「割烹」「炊事」があります。

古くは、「料理」は「包丁」「煮炊き」と言いました。

料理の基本は「生」「焼く」「煮る」「蒸す」「揚げる」です。

栄養価や味を調えて食事を作ります。

「料理」を数える時は、「品・ひん」「品・しな」「皿・さら」「種・しゅ」を使って数えます。

料理の種類は、「品」か「種類」を用います。

「前菜三品」のように使います。

「調理」と「料理」の用途

◇調理
「食事を作る」という意味の場合
「新鮮な素材を調理する」「調理台は、清潔に保つ」
合成語
「調理器具」「調理実習」「調理法」「調理場」

◇料理
「食べ物を作る」という意味の場合
「料理菊・食用菊」「料理茶屋・料理屋」「料理番」「肉・野菜料理」「料理のレシピ」
「処理する」という意味の場合
「料理しきれない状況」「問題を料理する」「好敵手を料理する」
合成語の場合
「料理法」「料理人」「料理屋」

まとめ・1964年の東京五輪の料理

1964年の先の東京五輪では、選手村の食堂の運営は日本ホテル協会が担いました。

その責任者の1人が、今は亡き帝国ホテルの村上信夫元総料理長でした。

全国から有能な料理人・306人が集められまたが、当時の日本人にとって、まだまだ西欧の食事には馴染みがありませんでした。

そこで、総料理長自ら多くの料理人に、ホワイトソースやデミグラソースのレクチャーを始めなくてはなりませんでした。

大会期間中、五輪食堂は他の大会と遜色なく運営され大成功でした。

そして、日本の「料理」に対する信頼を大いに高めました。

大会後、五輪村で腕を磨いた306人の料理人たちは、地方に還って、日本に洋食を根付かせるのに大いに寄与しました。

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