「褒める」と「誉める」の違い・意味と使い方・使い分け

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両方とも、「傑出して優れていることを認める」「相手の行為・業績などを優れたものとして評価する」という意味です。

反対語は、「そしる・けなす」という言葉です。

これらの意味に差はほとんどありませんが、その使用方法にやや違いがあります。

「褒める」は、個人から個人へ向けられる言葉で、相手の行動を良いものとして評価する場合に使用します。

一方、「誉める」は周囲の人々から個人に向けられる言葉で、輝かしい業績や結果について述べられる言葉です。

「褒める」は常用漢字で、「誉める」は常用外漢字です。

そのため、通常は「褒める」が使われる場合がおおいようです。

「褒める」の意味

この漢字の字義は、「ほめる・ほめたたえる・大きい・ひろい・懐の大きい衣」などです。

この文字は、「衣+保」で構成されています。

「保」の部分は、「抱く」という意味です。

物を抱き留めるような大きな着物の意味です。

この部分は、「報」に通じ、「ほめる」という意味も表します。

この言葉は、個人の行動に対して良いことだと認識し、そのことを個人がその人物に伝えることです。

「誉める」の意味

この漢字の字義は、「ほまれ・良い評判・名誉」です。

この文字は、「言+與」で構成されています。

「與」は、手を寄せ合わせて物をあげるという意味です。

「言葉で人を持ち上げる」という意味です。

このことから「ほめる」という意味を含みます。

この言葉は、輝かしい業績や結果を残した人物に対して、周辺の人々がその人物に対して賞賛することです。

「褒める」と「誉める」の用途

「褒める・誉める」という言葉は、古語に於いて以下のように使用されました。

「祝う・ことぼぐ」と言う意味の場合、万葉集には、「真木柱褒めて造れる殿のごと いませ母刀自面(おめ)かはりせず」とあります。

また、「物事を評価し、良しとしその気持ちを表すこと。

たたえる。

称賛する。

」という意味の場合もありました。

これは、現在の用途と同じです。

万葉集には、「黒木とり草も刈りつつ仕へめど 勤(いそ)しき奴(わけ)と褒めむともあらず」とあります。

現在では、以下のように使用されます。

個人の業績・結果について、周辺の人々がその人物に対して賞賛する場合は、「褒める」に代えて「誉める」が使われます。

「先生が生徒を褒める」「子供の作文を誉める」「有望な新人だと誉める」「手放しで褒める」「あまり褒めた話ではない」「努力は褒められるべきだ」「彼女の献身は、褒めても褒め足りない」「批評家たちは、新進作家を誉めている。

まとめ・「稲穂の穂」で「秀でた」ものが、「ほめる」物です

「ほめる」は、「賞賛する」という意味です。

「ほむ」は「ほめる」の古語です。

もともとは、「穂・ほ」+「む・助動詞」で構成されました。

「穂」という漢字は、「ほむ」を意味し「秀・ひいでる」にも通じています。

「穂」は、「禾+恵」で構成され、「恵」の部分は「めぐみ・穀物の恵み」を意味しました。

また、「稲穂」を意味しました。

「秀・ひいでる」は、「禾+乃」で構成されています。

「禾」の部分は、突き出た稲穂の象形です。

「乃」の部分は、伸びた弓の象形です。

穂の中で特に長く伸びた物は、「秀でた物」という意味です。

つまり、「稲穂の中で、優れてよく伸びたものを称賛すること」が「ほめる」だったのです。

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