領海は「領土から沿岸12海里までの海域」です。
ここまでは国家の主権が適用される領域とされています。
接続水域は「領土から沿岸24海里までの海域」であり、主に出入国管理や税関、防疫関係で用いられる水域です。
そして、排他的経済水域は「領土から沿岸200海里までの海域」であり、この水域における漁業資源・鉱産資源は原則として沿岸国が権利を有することができるとされています。
「領海」の意味
領海とは「領土の基線(通常は低潮線とされる)から最大で12海里までの水域」を指します。
国際的には、領土・領海そしてその上空に当たる領空は国家の主権が及ぶものとされています。
1海里=約1852メートルなので、領海は沿岸約22キロメートルの水域となります。
現在は国際連合において、「国連海洋法条約」第3条にて領海の範囲を12海里までとすると明記されています。
なお、いくつかの国々が向かい合っている状態で領海の範囲が重なる場合は、基線からの等距離をとって線引きすることになっています。
「接続水域」の意味
接続水域とは領海の外にあり、「基線から最大24海里までの水域」を指します。
この水域の沿岸国では、財政・防疫・出入国管理に関する法令違反を取り締まることができます。
しかし、国家の安全を脅かすような行為に対する規制は含まれていないので、性質としては領海で違反が行われそうな状況を防ぐため、つまり予防のための措置をとるということになります。
「排他的経済水域」の意味
排他的経済水域とは、「基線から最大200海里までの水域」を指しており、「経済水域」や「EEZ」とも呼ばれています。
この水域が設定されていると、そこに存在する水産資源・鉱産資源や自然エネルギーについて開発・保全・管理を沿岸国が独占的に行うことができるとされています。
また、各種海洋調査の実施や人工島などの設置についても、その権利が及ぶ水域でもあります。
3つの水域にはそれぞれ役割がある
領海は、もちろん国家の主権が及ぶ水域として認められていますが、それ以外でも資源・産業、交通などの観点から必要な権利が生まれてきます。
船の航行もあるわけですし、資源の獲得もありますから、接続水域で予防的な対応をとり、排他的経済水域で沿岸の資源確保や調査を行うという形ですみわけすることで、世界全体の海洋の平和・秩序が保たれているのです。