「突き刺す」と「突き通す」と「突き抜く」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「突き刺す」は、とがったものを突き立てて中に入れることです。

英語では「pierce」「stick」「stab」「thrust」で表されます。

「槍が太ももに突き刺さった」は「A spear pierced his thigh.」です。

「人の胸を突き刺す」は「stab a person in the chest」です。

「突き通す」は、突き刺したものが、反対側へ抜けることです。

英語では「pierce through」「run through」で表されます。

「銃弾は天井を突き通った」は「A bullet pierce through the ceiling.」「A bullet went through the ceiling.」です。

「突き抜く」は、反対側まで突き通ることです。

英語では「突きとおす」と同様に「pierce through」「run through」で表されます。

「突き刺す」の意味

「突き刺す」は、以下のような意味です。

①とがったものを突き立てて中に入れることです。

突いて貫くことをいいます。

突いて刺し通すことです。

②痛みを感じさせるほど鋭く刺激することです。

以下のように使います。

箸を芋に突き刺す ナイフで腹を突き刺した 突然突き刺すような痛みを感じた
突きさすような眼差し 北風が肌を突き刺した

「突き通す」の意味

「突き通す」は、貫き通ることです。

突き抜けることです。

突き刺したものが、反対側へ抜けることです。

以下のように使います。

針を突き通して細い穴をあける 釘が壁を突き通る
錐が板を突き通す

<突の漢字>
字義は「つく」「にわか・だしぬけ」「うがつ・掘る」「けむだし・煙突」です。

解字では、「穴+犬」で構成されます。

これから「穴から犬がだしぬけに飛び出して来る」を表し「突き出る」を意味します。

「突き抜く」の意味

「突き抜く」は、以下のような意味です。

①つきとおすことです。

貫くことです。

反対側まで突き通ることです。

とどまらずに通りぬけることです。

②「突き」を強めて言う言葉です。

以下のように使います。

釘が板を突きぬいた 槍で天井を突きぬく 突き抜けるような空だ
弾が盾を突き抜ける 声が突き抜ける その町を突きぬけてパリに向かえ

<関連語>
「貫く」は、突き刺した物の先端が、対象の中を突き抜けて反対側に出ることです。

物理的な場合だけでなく「困難なことを最後までやり通す」という意味もあります。

「矢は的を貫いた」「信念を貫く」のように使います。

「貫通」は、対象に穴をあけて、反対側まで通すことです。

「トンネルを貫通する」のように使います。

「突き刺す」は とがったものを突き立てて中に入れること、「突き通す」は 突き刺したものが、反対側へ抜けること、「突き抜く」は 反対側まで突き通ることです。

「突き刺す」「突き通す」「突き抜く」「刺し通す」は、類語です。

「貫く」「貫通」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「先のとがった刃物などを、対象に深く入り込ませたり、裏まで通したりすること」です。

「突き刺す」は とがったものを突き立てて中に入れることです。

「突き通す」は 突き刺したものが、反対側へ抜けることです。

「突き抜く」は 反対側まで突き通ることです。

「刺し通す」は、突き刺して貫くことです。

「突き刺す」は、必ずしも刃物などが反対側に抜けなくてもそのようにいいますが、他三語は通常、反対側まで突き出た状態を表します。

最新の記事はこちらから