「本しめじ」と「ぶなしめじ」、「ブナピー」の違い・意味と使い方・使い分け

B!

食用のキノコとして、「本しめじ」と「ぶなしめじ」、「ブナピー」などが販売されていますが、それぞれ意味するキノコは異なります。

本しめじは、分類学的にはシメジ科シメジ属のホンシメジを意味しますが、以前は栽培したぶなしめじが「本しめじ」の商品名で販売されていました。

「ぶなしめじ」はシメジ科シロタモギタケ属のキノコです。

「ブナピー」は、ホクト株式会社の開発した白いぶなしめじの商品名です。

「本しめじ」の意味

「本しめじ」とは、分類学的にはシメジ科シメジ属のホンシメジ(学名 Lyophyllum shimeji )を意味します。

このキノコは、「香りマツタケ味シメジ」というように、非常に美味でうまみが強いキノコです。

しかし、本菌は菌根菌(植物の根と共生する)であるため、最近まで人工栽培ができず、市場に出回ることが少ないキノコです。

反対に、人工栽培が容易であるブナシメジが「本しめじ」の名称で販売されていた時期があり、混乱を招きました。

「ぶなしめじ」の意味

「ぶなしめじ」は、シメジ科シロタモギタケ属のキノコ(学名Hypsizygus marmoreus)であり、本しめじとは属が異なります。

ブナなどの倒木や朽木に発生する木材腐朽菌であり、オガクズなどを利用した人工栽培が容易なキノコです。

そのため、一時期ぶなしめじの栽培品が「本しめじ」の商品名で販売されていたことがあり、問題になりました。

(現在は、「ぶなしめじ」と表記されたり、併記されています。)

「ブナピー」の意味

「ブナピー」とは、日本のホクト株式会社が開発した、白いぶなしめじの商品名です。

キノコの販売や栽培で有名なホクト株式会社が、自社の「ホクト8号菌」と「ホクト12号菌」を交配させ、選抜した新品種です。

白色の外観が美しいキノコで、「ホワイトぶなしめじ」の通称があります。

2002年から販売されています。

農林水産省には、「ホクト1ゴウキン(ホクト白1号菌)」という和名で品種登録されています。

「本しめじ」と「ぶなしめじ」、「ブナピー」の違いと混乱のわけ

このように、「本しめじ」と「ぶなしめじ」は分類学的に異なり、「ブナピー」は白いぶなしめじの開発品という違いがあります。

本しめじとぶなしめじが混同された原因は、「しめじ」の名称に一因があります。

「しめじ」は、古くから広くキノコ一般のことを指す名称だったので、「ぶなしめじ」の商品名にも使用されていた時期があったのです。

最新の記事はこちらから