「効く」と「利く」の違い・意味と使い方・使い分け

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「効く」も「利く」も「効き目がある」「効能が現れる」という意味です。

辞書では、同じ項目に入っています。

「辛子の利いた漬物」を「辛子の効いた漬物」と書く場合があります。

「効」の文字を使う場合、「利く」に比べて特にその効果について言及しています。

「利く」は、「効果や効能が現れること」を意味しますが、「暗闇でも目が利く」や「女子社員の気が利く」のように「十分に働く」という意味や、「この店は、つけが利く」「無理が利かない年だ」のように「~することができる」という意味でも使われます。

これらは、「効く」と書くことも可能です。

「効く・利く」の意味

「効く」も「利く」も同じ意味です。

辞書では、同じ項目に入っています。

①「効き目がある」「効能が現れる」という意味です。

主に「効」の文字が使われます。

「薬が効く」「説教が効く」のように使います。

②そのものの特性や機能が強く現れます。

「効」または「利」の文字共に使われます。

「唐辛子の利いた漬物」「唐辛子の効いた漬物」
※「効」の文字が使われる場合、特にその効果について言及する意味が強いと考えられます。

③「身体の機能がきちんと働くまた高度に動く」という意味です。

主に「利」の文字を使います。

「体が利かない」「左利き」のように使います。

④「精神の機能や制御が良く働く」「その機能が他に及ぶ」という意味です。

主に「利」の文字を使います。

「気が利く人だ」のように使います。

※「抑制のきいた演技」の場合、「効」の文字を使うと、とくにその効果に重きを置くことになります。

⑤「ある機械の機能がきちんと働く」という意味です。

主に、「利」の文字を使います。

「ブレーキが利かない」のように使います。

⑥「それをすることが可能である」「できる」という意味です。

主に、「利」の文字を使います。

「この靴は修理が利く」のように使います。

⑦「それを利用することが可能である」という意味です。

主に「利」の文字を使います。

「この手術には保険が利く」のように使います。

(他動詞として使われる場合)
⑧「話をする」「会話を交わす」という意味です。

「利」の文字を使います。

「口を利かない」のように使います。

⑨「間に立って世話をする」「仲介の面倒を見る」という意味です。

「利」の文字を使います。

「政治家の口利き」のように使います。

「効く・利く」の用途

①「効き目がある」「効能が現れる」という意味で使われる場合
「薬が効く」「説教が利く」「宣伝が効いて繁盛する」「冷房が良く効いている」
②「そのものの特性や機能が強く現れる」という意味で使われる場合。

「酸味が利いている」「唐辛子の利いた漬物」「唐辛子の効いた漬物」
③身体の機能がきちんと働くまた高度に動く」という意味で使われる場合
「体が利かない」「左利き」「風邪で鼻が利かない」「鑑定の目利きだ」
④「精神の機能や制御が良く働く」「その機能が他に及ぶ」という意味で使われる場合
「気が利く人だ」「彼は融通が利かない」「抑制の利いた声で応える」「組織へのにらみが利く」
⑤「ある機械の機能がきちんと働く」という意味で使われる場合
「ブレーキが利かない」「小回りが利く車だ」
⑥「それをすることが可能である」「できる」という意味で使われる場合
「靴の修理が利く」「やり直しが利く」「無理が利かなくなった」
「見晴らしが利く」「前方の見通しが利かない」
⑦「それを利用することが可能である」という意味で使われる場合
「この手術には保険が利く」「学割が利く」

(他動詞として使われる場合)
⑧「話をする」「会話を交わす」という意味で使われる場合
「口を利かない」「生意気な口を利く」「大きな口を利く」「無駄口利く」「減らず口を利く」
⑨「間に立って世話をする」「仲介の面倒を見る」という意味で使われる場合
「政治家の口利き」

その他の例文

◇効く
この薬は良く効く。

アスピリンが効いた。

コマーシャルが効いて売り上げが伸びた。

彼に小達は効かない。

ブランデーが効いて酔いが回った。

◇利く
腕が利く大工だ。

機転が利く人だ。

このセーターは、洗濯が利く。

(洗濯が可能であるという意味)
このコートは裏返しが利く。

あの店は出前が利く。

この店は付けが利く。

あの店は無理が利く。

まとめ・口利き事件

「口利き」とは、「間に立って世話をする」「仲介の面倒を見る」という意味ですが、これを公務員や政治家が職責を利用しておこなうと汚職になります。

賄賂を受け取って「口利き」すれば収賄罪が問われます。

戦後最も大きな「口利きによる収賄事件」は、ロッキード事件でしょう。

1970年代初頭、ロッキード社が、全日空をはじめとする世界各国の航空会社に、L-1011 トライスターを売り込むため、各国政府要人に巨額の賄賂をばら撒いていました。

全日空への工作費は約30億円だったと言われています。

このことが発覚して、田中元首相の罪が問われるまでにこの事件は発展しました。

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