「畏まる・かしこまる」と「畏れる・おそれる」と「謹む・つつしむ」の違い・意味と使い方・由来や例文

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「畏まる・かしこまる」は、「怖れ慎む」「恐縮する」「恐れ敬う」という意味です。

英語では「sit upright」「stand on ceremony」「humble oneself」で表されます。

「正座する」という意味の場合「sit upright」を使います。

「堅苦しい態度をとる」という意味の場合「stand on ceremony」です。

「畏まって座った」は「He sat upright in his seat 」「He sat stiffly in his seat」です。

「畏れる・おそれる」は、敬って近づかないことです。

おそれ多く思うことです。

英語では「fear」「be afraid of」で表されます。

「神を少しもおそれない」は「He has no reverence for God.」です。

「謹む・つつしむ」は、うやうやしく畏まることです。

英語では、「気を付ける」という意味の場合,「careful」で表されます。

「控える」という意味の場合、「refrain from」「abstain from」で表されます。

「衝動を抑える」場合「refrain from」を使います。

「熟慮して自制する」という意味の場合「abstain from」です。

「言葉をつつしむ」は「be careful of one’s language」「be careful in what one say 」「mind one’s language」です。

「酒をつつしんでいる」は「I’m refraining from drinking.」です。

「畏まる・かしこまる」の意味

「畏まる・かしこまる」は、以下のような意味です。

①「怖れ慎む」「恐縮する」「恐れ敬う」という意味です。

②「わびる」「謝罪する」という意味です。

源氏物語(初音)に「心まどわし給ひし世の報いなどを、仏に畏まり聞こゆるこそ苦しけれ」とあります。

③身分の高い人の前などで、怖れ謹んだ態度をとることです。

また、謹みの気持ちを表して姿勢を正しく座ることです。

④「つつしんで承知する」「承る」という意味です。

以下のように使います。

先生の目では自然と畏まる お話を畏まって聞く
畏まった話し方 畏まって候 畏まって意見を具申する

「畏れる・おそれる」の意味

「畏れる・おそれる」は、以下のような意味です。

①相手の力に押されて、心が弱くなることです。

かなわないと思いこわがることです。

今昔物語(15)に「殺生を業として人におそれられて」とあります。

②悪いことが起こるのが無いかと気づかうことです。

憂慮することです。

今昔物語(15)に「ただの後世の事をのみおそれけり」とあります。

③敬って近づかないことです。

おそれ多く思うことです。

恐懼することです。

今昔物語(11)に「昼は公におそれ奉りて流所に居たり」とあります。

④閉口することです。

まいってしまうことです。

※一般的には「恐」を使います。

畏敬・畏怖の意味では「畏」を使います。

恐怖・危懼などの意味では「怖」「懼」も使います。

以下のように使います。

大自然の力を畏れる 天を畏れぬ不届きな所業

「謹む・つつしむ」の意味

「謹む・つつしむ」は、以下のような意味です。

①用心することです。

過ちが無いようにすることです。

主に「慎む」を使います。

枕草子(119)に「まうづる程のありさま、いかならんなど謹みおぢたるに」とあります。

②うやうやしく畏まることです。

主に「謹む」を使います。

平家物語(10)に「謹んで以て承る所件の如し」とあります。

③物忌みすることです。

謹慎することです。

主に「慎む」を使います。

源氏物語(若菜下)に「さるべき御祈りなど常よりも取りおきて、今年は謹みたまへ」とあります。

④度を越さないように控えめにすることです。

主に「慎む」を使います。

以下のように使います。

謹んで新年のお喜びを申します 暴飲暴食をつつしむ
お話は謹んでお受けいたします

「畏まる・かしこまる」は 「怖れ慎む」「恐縮する」という意味、「畏れる・おそれる」 はおそれ多く思うこと、「謹む・つつしむ」は うやうやしく畏まることです。

「畏まる・かしこまる」「畏れる・おそれる」「謹む・つつしむ」は、類語です。

共通する意味は「何かを本当に尊び、力のあるものだと思い、その前で礼儀を失わないように控えめにすること」です。

「畏まる・かしこまる」は、「尊敬の気持ちを言葉や態度に表す」という意味です。

「そんなに畏まらないで、お楽になすって下さい」のように、「きちんと座って小さくなる」という意味でも使います。

また、「かしこまりました。」

の形で、目上の人の命令を承知した意味を表します。

「畏れる・おそれる」は、自分よりはるかに力のあるものを尊び、怖いと思う気持ちを表します。

特に、神仏や自然などについて使います。

「謹む・つつしむ」は、「相手への尊敬を、口数や勝手な行動を少なくすることで表す」という意味です。

多くの場合、「謹んで~する」の形で使います。

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