「召集」と「招集」の違い・意味と使い方・使い分け

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二つの言葉はともに、『多くの人々を「まねき」+「集める」こと』を意味します。

また、人々に要請して、「会・催し物・その他の場所に来てもらうこと」を言います。

しかし、強制力という点で、二つの言葉はやや異なります。

「召集」という言葉は、「上位の者が下位の者を呼び集めること」を意味し、強制的・高圧的な感じが伴います。

一方、「招く」という言葉は、「礼を尽くして来てもらう」「手などを動かして来るように促す」という意味です。

「召集」に比べ「招集」はソフトな感じがします。

「召集」の意味

①上級者が下級者を呼び集めることです。

強制的・高圧的な感じが伴うので、多くの場合「招集」を使用します。

②戦時・事変の時、またはその他の必要に応じて、在郷軍人を軍隊に呼び集めることを言います。

「召集令」のように使います。

③国会の衆参院の代議士を各院に集会させることを言います。

「召集」の決定は憲法上内閣の助言と承認のもとに行われ、天皇の国事行為として詔書の形式で表示します。

それを「召集詔書」と言います

「招集」の意味

①人々を招き集めることです。

「招集をかける」「役員を招集する」のように使います。

②地方自治体で、首長が議会の開催を告示し、議員を招き集めることです。

③社団法人の社員総会や株式会社の株主総会などを成立させるため、構成員を招き集めることです。

「招集」の「招く」は、「礼を尽くして来てもらう」「手などを動かして来るように促す」という意味です。

「誤解を招く」「危険を招く」のように、好ましくない事態を引き起こすという意味も含みます。

「召集」と「招集」の用途

◇召集
国会の衆参両院を「しょうしゅう」する場合、強制の意味を含む「召集」が使われます。

詔書で要請されます。

「会議(国に関する)を召集する」「国会を召集する」
兵士を「しょうしゅう」する場合は、強制の意味を含む「召集」を使います。

「兵士を召集する」「召集令状が来た」

◇招集
地方の首長が告示して議会を「しょうしゅう」する場合は、「招集」を使います。

「議会(地方に関する)を招集する」「委員会を招集する」
「来るように促すという」意味の場合、「招集」を使います
「非番の警官を招集する」
「礼を尽くして招く」という意味で使われる場合
「総会を招集する」「株主総会を招集する」

まとめ・「召集令状」とは

「召集令状」とは、在郷軍人を召集する命令書です。

第二次世界大戦中、「充員召集」「臨時招集」「国民兵召集」には淡い赤色の紙が使用されたので、俗に「赤紙」といいます。

実際にこの紙を受け取った人は、どんな気持だったのでしょうか。

「赤紙」と聞いて「召集令状」をイメージできるのは、昭和生まれに限られるのかもしれません。

天皇陛下に「召された」と言って、「喜ばしいこと」とされました。

その喜ばしさ故に「召集」されたことを名誉であると納得して、国民は子弟を軍隊へと送ったのです。

その結果どうなったかは、皆の良く知るところです。

平成の上皇様は、「平成は、戦争のない時代であった。

」とおっしゃいました。

明治維新以来、日本はずっと戦争の時代だったのです。

令和になって、どんな未来が待ち受けているのでしょうか。

いずれにしろ、「赤紙」を目にする未来だけは選択しないようにしたいものです。

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