「ながら」と「つつ」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「ながら」は、「その動作をするのと同時にほかの動作を行う」という意味です。

英語では以下のように表されます。

「本を読みながら寝てしまった」は「While reading a book, he fell asleep.」です。

「つつ」は、「一つの動作と同時にほかの動作を行う」という意味です。

英語では以下のように表されます。

「子供の命が助かることを祈りつつ医者に走った」は「I ran for the doctor, praying that my child might be saved.」です。

「ながら」の意味

「ながら」は、以下のような意味です。

接続助詞です。

古風な言い方です。

①「その動作をするのと同時にほかの動作を行う」という意味です。

②「両立しにくい二つの事態が同時になりたつ」という意味を表します。

③「そのまま変化しない状態で続く」という意味を表します。

「涙ながらに訴えた」のように使います。

④「全部」という意味を表します。

「三度ながらしくじった」のように使います。

以下のように使います。

働きながら学校に通う 狭いながらも楽しい我が家 顔色をうかがいながら話す
悪いと知りながら 飲みながら話そう 陰ながら協力したい

「つつ」の意味

「つつ」は、以下のような意味です。

助詞です。

動詞や助動詞の連用形について意味を表します。

①「一つの動作と同時にほかの動作を行う」という意味です。

②「互いに両立しがたい二つの事態が同時に成り立つ」という意味です。

③「動作・作用が継続している」という意味を表します。

「~が実現しようとしている」という意味です。

④「動作・作用が繰り返し行われる」という意味です。

以下のように使います。

彼は家族に見守られつつ亡くなった 勉強しようと思いつつ、つい遊んでしまう
現在、森林は破壊されつつある 彼は回復しつつある

<表現>

「ながら」
連体修飾を表す上代の助詞「な」に、ものの性質・資質を表す体言「から」のついた言葉です。

「~しつつ」の意味の場合、継続動作を表す動詞や動詞型活用の助動詞の連用形につきます。

「乍ら」と書く場合もあります。

今昔物語(24)に「笑ひながら涙を流す者ありけり」とあります。

「つつ」
動詞や動詞型活用の助動詞の連用形につきます。

「ながら」とほぼ同義ですが、「ながら」の方がより書き言葉的です。

平家物語(灌頂)に「墨染の袖をしぼりつつ泣く泣くまかり出でけり」とあります。

「ながら」は 「その動作をするのと同時にほかの動作を行う」という意味、「つつ」 は「一つの動作と同時にほかの動作を行う」という意味です。

「ながら」「つつ」は、類語です。

共通する意味は「動作の並行」です。

「ながら」「つつ」は、二つの動作が並行して行われることを表す接続詞です。

「ながら」は、「働きながら学校に通う」のような順接用法の外に、「狭いながらも楽しい我が家」のように、逆説的用法もあります。

「つつ」は、「現在、森林は破壊されつつある」のように、動作・状態の継続を表す文章語的な用法があります。

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