「対照」とは「比べること」であり、何かものを並べて全く違うものを比べる時に使われることが多いです。
例えば、鈍感な人と敏感な人とを比べて対照的だと言われます。
一方、「対称」とは「似ていること」であり、何かものを並べて似ているところを指し示して言う時に使われることが多いです。
例えば、向きが違うだけで似ている状態を指し、左右対称と言われます。
「対照」の意味
「対照」は、「二つの事物を照らし合わせて比べること」もしくは「全く違うものを並べて比べた時、その違いが際立つこと」を意味します。
例えば、全く正反対の性格を比べたりする時や全く異なる容姿を比べたりするときに使ったりします。
また、全く異なるがどちらも評価できるものを比べる時にも使ったりします。
「対称」の意味
「対称」とは、「ものとものとが互いに対応しながら釣り合いを保っていること」という意味です。
また、「二つの図形が点・線・面などについて互いに向き合う位置関係にあること」という意味もあります。
この言葉は、似ているものや釣り合いがあるものを並べて表現する時に使われます。
例えば、左右対称がその代表になります。
「対照」と「対称」の用法や用例
「対照」は、比べる時に使います。
例えば、双子の性格は兄が温厚であり弟は冷酷な性格であり全く対照的である、というように使用します。
「対称」は、似ているものを並べる時に使います。
例えば、左手と右手は向きが同じではありませんが、指の位置や手の大きさなど全く違うところは無いように見えます。
使い分けに要注意
「対照」と「対称」は、意味からは全く異なるにもかかわらず、良く間違えて使われます。
ものを並べるという考え方からよく混同されてしまうようです。
そうならないためにも、「照」と「称」の漢字の意味を理解しておくと良いでしょう。
「照」は、照らすという意味からじっくり見て違いを探すという意味が、「称」は、呼ぶという意味から互いが共鳴し合っている意味が元々あります。