「月並み」と「凡庸」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「月並み」は、平凡なことです。

ありきたりです。

英語では「commonplace」で表されます。

「月並みな文句」は「trite words」「stock phrases」「a hackneyed expression」です。

「月並みなことをいう」は「make a commonplace remark」です。

「凡庸」は、優れたところのないことです。

英語では「mediocrity」「mediocre」で表されます
「凡庸な腕前の画家」は「a painter of mediocre ability」「a painter of indifferent ability」です。

「彼の作品は凡庸だ」は「All his works are commonplace.」です。

「月並み」の意味

「月並み」は、以下のような意味です。

①「毎月」「月ごと」「例月」という意味です。

枕草子(297)に「月並みの御屏風もおかし」とあります。

②平凡なことです。

陳腐なことです。

ありきたりです。

③月ごとにあることです。

「月並みの会」の略です。

④「月齢」のことです。

拾遺和歌集(秋)に「水の面に照る月並みを数ふれば」とあります。

以下のように使います。

月並みな言い方 月並俳句
月並みな暮らし 月並みな台詞

「凡庸」の意味

「凡庸」は、優れたところのないことです。

また、その人です。

「なみなみ」「平凡」「凡人」と同じ意味です。

以下のように使います。

凡庸な人 凡庸な作品 凡庸に一生を送る

【mediocre】
「良くも悪くもない」「並の」「二流の」「劣った」という意味です。

「自分が並でしかない、もしくは劣ったと認めることはつらいことだ」は
「It’s hard for most of us to admit that we’re middle or even mediocre.」です。

並・凡・庸の漢字

「並」
字義は「ならぶ」「ならべる」「ならびに・ともに」「ならび・列」です。

解字では、「立+立」で構成されます。

「立」の部分は「立つ」の象形です。

これにより「並び立つ」を意味します。

「凡」
字義は「およそ」「すべて」「なみ」です。

解字にでは象形です。

甲骨文字では「風をはらむ帆」をかたどります。

これにより「風のあまねく吹き渡る」を表し「すべて」「おしなべて」を意味します。

「庸」
字義は「もちいる」「以て」「てがら・いさお」「常」「愚か」「助字・なんぞ」「唐代の税法の一つ」です。

解字では、「庚+用」で構成されます。

「庚・こう」の部分は象形で「両手に杵を持つさま」を表します。

「用」の部分は「鐘」の象形で「もちいる」を意味します。

これらにより「杵や鐘などの重い物を持ち上げる・取り上げる」を表し「もちいる」を意味します。

転じて、「一定のかたよらない」の意味も表すようになりました。

「月並み」は、 平凡なことありきたりです。

「凡庸」は、 優れたところのないことです。

「月並み」「凡庸」は、類語です。

共通する意味は「他と比べて、特に固有の面や優れた点、新鮮な所などが無いこと」です。

「月並み」は、似たような事物が他にいくらでもあり、際立ってないさまです。

「凡庸」は、似たような事物が他にあるかないかに関係なく、特別に優れた所や際立った面が無いことです。

二語とも、その人、物に、特にほめる点、良い点、誇れる点が無いということで使用されます。

最新の記事はこちらから