旅人は「目的を持ち移動をしている人のこと」。
「旅行者」と言い換えると分かりやすい。
遊子は「遠く故郷を離れて旅をする人のこと」。
「旅人」と言い換えると分かりやすい。
どちらも旅をしている人ですが、言葉としては古風なイメージがあります。
「旅行者」と言うことではなく、あてどもない旅している人と言う感じになります。
「旅人」は「旅をする人」のこと
「旅人」の旅は旅自体を楽しむことです。
一応、目的地を定めていくのですが、目的地に辿り着きくまでの様々なことを楽しむのが「旅人」になります。
それが近くの場所でも遠くの場所でも言えることになります。
「旅行」ではありません。
「旅行」は目的地に早く着くことが求められ、目的地で楽しむことが大事なのです。
「旅」は途中を楽しむことですから、「旅」をする人を「旅人」と言うのです。
「遊子」は「故郷を離れている人」のこと
「遊子」は遠くに「旅」をしている人を言います。
自分の故郷から遠く離れた場所にいる人のことになります。
何かもの悲しさを感じる言葉です。
「遊子」とは史記に登場する前漢の皇帝・劉邦が言った「遊子故郷を悲しむ」、つまり、「今は都にいるが遠い故郷を懐かしく思う」から来た言葉です。
島崎藤村の千曲川旅情に「雲白く遊子悲しむ」と引用されています。
「旅人」も「遊子」
「旅人」は「旅」をしている人ですから、故郷を離れている人を「遊子」と言うならば、「旅人」も「遊子」になるのかも知れません。
「旅人」も「遊子」も抒情味溢れる言葉です。
「旅行者」や「遠方滞在者」では様になりません。
最近では、テレビ番組で街中をさまよい、興味ある場所に突撃取材を試みるものがありますが、出演者のことを「旅人」と言っているのは的を得ているのです。
「旅人」と「遊子」とは
「旅人」は「旅」の道行きを楽しんでいる人のことを言います。
「旅行」をしているのではなく、「旅」をしているのです。
「旅行」は目的地で楽しむもの、「旅」は目的地迄の道行きを楽しむものです。
「遊子」は中国前漢の皇帝となった劉邦が言った言葉に由来したもので、島崎藤村も引用している言葉です。
「遠く故郷を離れている人」と言う意味になり、「旅人」も含まれるのです。