「同音異義語」といえば「漢字がちがうけれど読みが一緒」のふたつ以上の紛らわしい語のことをいいますが、これを「同音意義語」とか「同音異議語」などと書いてしまっては恥ずかしい誤りになってしまいます。
異議、異義、そして意義は似ているようで、明確な意味の違いがあるのです。
「異議」の意味
「異議」とは、「ちがう意見」のことです。
裁判を描いたドラマやゲームなどでよく、弁護士などが「異議あり!」と決めゼリフを発したりしていますよね。
実際の裁判ではあまり使われない言葉らしいですがそれはさておき、「異議あり」とは、「私の意見は、先に出た意見とはちがいます!」と主張しているのです。
「異義」そして「意義」の意味
「異義」とは、「ちがう意味」のこと。
「同音異義語」ならば「音は同じでもちがう意味」を意味します。
一方「意義」は、そのもの自体の意味であったり、そのもの自体が行なわれることによる社会的な価値や責任を表わします。
「社会的な意義のある活動」などという場合の「意義」です。
どちらも「義」という漢字に「意味」という意味が込められています。
「異議」「異義」そして「意義」の用法用例
「異議あり」という表現は、裁判のみならず議論の場において、先に出た意見とは異なる意見を主張するさいに宣言として使えます。
なにか不服があるさいには「異議申し立て」をすることがあります。
「異義」は日常生活で用いられることはほとんどないので、誤字に注意すればよさそうです。
「意義」はもっともつかわれる頻度の高い語で、「社会的な意義のある仕事」とか、「意義を正す」などと用例が挙げられます。
字義のなりたちから誤用を防ごう
異議の「議」は議論の議であり、「意見」という意味が込められています。
一方、異義や意義の「義」は「意味」という意味が込められており、meaningという意味のみならず、意味ある仕事、責任ある仕事などという場合の「意味」でもあります。
この字のなりたちを覚えれば、紛らわしい語の誤用も防げるでしょう。