「固持」と「固辞」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

固持は「自分の信念や考えを固く維持すること」。

「固執」と言い換えると分かりやすい。

固辞は「ある働きかけに対して固く断ること」。

「辞退」と言い換えると分かりやすい。

固持で固くするものは信念であり、固辞で固くするのは辞退の意志と言うことです。

「共産主義者は共産思想を固持している」「イチローは国民栄誉賞を固辞した」などと使います。

「固持」は固い意志

「固持」は「固く意志を持つこと」で、自分の信じることやものの考え方などを、他からの影響に惑わされることなく、保持することになります。

「それぞれの政治政党員はその政党が掲げる綱領を固持している」「共産主義者は共産思想を固持するため、自由主義に転向することなどめったにない」「政治家は信念を固持し、何事にもブレないことが信頼に繋がる」「若者は結婚願望を固持し、ついには納得出来る伴侶を得た」などと使います。

「固辞」は硬い辞退

「固辞」は辞退をすることです。

強い説得にも応じずに固く辞退を決め込むことで、偏屈とも取られかねません。

「ボブ・ディランはノーベル文学賞を固辞したように沈黙していたが、ついには受賞を承諾した」「野球のイチローは国民栄誉賞を3度も固辞した経歴がある」「良縁と思われたが信仰の違いで彼は固辞をした」などと使います。

「固辞」の理由は信念の「固持」

イチローは「固持」する信念があり、せっかくの推薦を3回「固辞」することになりました。

イチローは、その理由として「現役だから」と言うことでした。

貰うなら「人生の幕が下りる時に頂けるように」と言うもので、一理あるものでした。

現役でもらう野球選手はいるのに立派な信念と言えます。

「固辞」する場合は納得のいく理由があるものでなければ偏屈者と見做されそうです。

「固持」と「固辞」とは

「固持」は自分の思う信念を強く持つことです。

特に政治家は自分の信念に基づいて行動することが大事で、ぶれないことが求められています。

政党間を渡り歩く節操のない政治家も多い時代に、ぶれない信念を「固持」している政治家は貴重な存在です。

人間は正しいことをするという信念を「固持」したいものです。

日陰暮らしの人間はどのようなことを「固持」しているのでしょうか。

同音異義語の「固辞」はかたくなに辞退をすることです。

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