「罵倒」と「痛罵」と「面罵」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「罵倒」は、激しくののしることです。

英語では「abuse」「rail at」「denounce」で表されます。

「罵倒を浴びせる」という意味の場合「abuse」を使います。

「毒づく」という意味の場合「rail at」です。

「公然と非難する」という意味の場合「denounce」で表されます。

「彼はいつも政府の政策を罵倒する」は「He always denounces the government’s policies.」

「He always rails against the government’s policies.」です。

「痛罵」は、痛烈に非難することです。

英語では「condemn」「abuse」「invective」で表されます。

「悪罵」という意味の場合「abuse」を使います。

「筋道を立てた激しい非難」という意味の場合「invective」です。

「彼は私の間違いを痛罵した」は「He castigated me for my mistake.」です。

「condemn」は「激しく責める」「非難する」「とがめる」という意味です。

「blame」「censure」より強い非難を表します。

「面罵」は、相手の面前でののしることです。

英語では「abuse」で表されます。

「人前で面罵された」は「I was abused to my face in public.」です。

「abuse」は、動詞の場合、「虐待する」「体を傷つける」「ののしる」などの意味です。

「罵倒」の意味

「罵倒」は、激しくののしることです。

ひどく悪く言うことです。

「倒」の漢字は、動作の激しいことを表す助辞です。

以下のように使います。

部下を罵倒する 彼は政敵を罵倒した

裏切り者と罵倒される

<助辞・助字>

漢文で、他の語について、その語を助けてさまざまな働きをする文字のことです。

漢文法で用いる語です。

漢文では、「実字」「虚字」「助字」に三分されます。

文法上の意味や関係を示す助詞(也・哉)、接続詞(前・則)、前置詞(於・于)などを指します。

<倒の漢字>

字義は「たおれる」「たおす」です。

解字では、「人+到」で構成されます。

「到」の部分は、「兆」に通じ、「はじけ割れる」を表します。

これにより、「人がはじけるようにたおれる」を意味します。

「痛罵」の意味

「痛罵」は、ひどくののしることです。

痛烈に非難することです。

以下のように使います。

痛罵を浴びせる 彼は私の間違いを痛罵した

<痛・罵の漢字>

「痛」

字義は「いたむ」「いたみ」「いたましい」「いたい」「いたく・はげしく」です。

解字では、「?+甬」で構成されます。

「甬」の部分は「突き抜ける」を表します。

これにより、「体を突き抜けるようないたみ」を意味します。

「罵」

字義は「ののしる」「どなる」「悪口をいう」「口汚くけなす」です。

解字では、「?+馬」で構成されます。

「?」の部分は「網・あみ」の象形です。

「馬」の部分は、「幕」に通じ、「おおいかぶせる」を表します。

これらから、「網や幕をかぶせるように、悪口を浴びせかける」を表し「ののしる」を意味します。

「面罵」の意味

「面罵」は、相手の面前でののしることです。

以下のように使います。

衆人観衆の中、面罵される 人前で面罵される

<関連語>

「面詰・めんきつ」は、面と向かって相手の悪い点、過ちなどを責めとがめることです。

「契約違反を面詰する」のように使います。

「ののしる」は、大声で口汚く非難することです。

「罵る」とも書きます。

「声高でののしる」のように使います。

「毒づく」は、面と向かって悪口を言い、ひどく避難することです。

「相手かまわず毒づく」のように使います。

「罵倒」は 激しくののしること、「痛罵」は 痛烈に非難すること、「面罵」は、 相手の面前でののしることです。

「罵倒」「痛罵」「面罵」「嘲罵」「冷罵」「漫罵」「悪罵」は、類語です。

「面詰・めんきつ」「ののしる」「毒づく」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「相手を大声で非難すること」です。

いずれも、他人を大声で激しく非難することです。

避難の程度については、それほど差がありません。

文章語です。

「罵倒」は、激しい言葉で、相手をあざけり非難することです。

「痛罵」は、痛烈に激しく非難することです。

「面罵」は、面と向かって相手を非難することです。

「嘲罵」「冷罵」「悪罵」は、相手をバカにし、口ぎたなく悪口をいうことです。

「漫罵」は、相手をみだりに侮り非難することです。

「嘲罵」「冷罵」「漫罵」「悪罵」は、あまり一般的ではありません。

最新の記事はこちらから