油絵具とアクリル絵具の違い・意味と使い方・使い分け

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油絵具は、顔料と乾性油を混ぜて作られた絵具のこと。

一方アクリル絵具は、顔料とアクリル樹脂を混ぜて作られた絵具のことを言います。

また両者の大きな違いとしては、油絵具は揮発性の灯油などに溶ける油溶性なのに対し、アクリル絵具は水に溶ける水溶性です。

油絵具の歴史と特徴

油絵具は古くから多くの画家に愛用されていて、多くの名画が存在します。

有名なところでは、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」や、ゴッホの「ひまわり」なども油絵具で描かれています。

また基本が油と顔料ですので、空気中の湿気にも強く、乾くと非常に硬い画面になることから、描いた絵が長持ちするということで、アクリル絵具の登場までは多くの画家に支持を受けてきました。

アクリル絵具の歴史と特徴

アクリル絵具は、1940年代に開発されたばかりの絵具で、油絵具に比べてまだ歴史が浅く、歴史的名画と呼ばれるものは殆どありません。

にも関わらず、現代ではアクリル絵具の方が圧倒的な支持を受けています。

なぜなら、アクリル絵具は非常に発色性が高く、絵具が乾いても画面が柔軟であることから、油絵具のようなヒビ割れが起こらず、画面の耐久性は油絵具よりも遥かに優れているからです。

油絵具とアクリル絵具の扱い方

油絵具の混色には独特のコツがいり、混色すると色が濁って発色が落ちる傾向があります。

また経年による酸化などで画面全体が黄ばんでくるので、描いた当初の色をそのままを維持することが非常に難しい絵具です。

しかし逆に言えば、それだけ落ち着いた色になっていくとも言えるので、落ち着いた色を好む画家は向いています。

一方アクリル絵具は、混色しても発色が落ちないことから、気軽に色を作ることができ、また筆も水で洗えるので絵を描いた後の後片付けも簡単、扱うのが非常に簡単な絵具です。

また絵具の粘度を変える添加剤や溶剤の種類も多いので、油絵具では不可能だった極端な絵具の盛り上げ方や、逆に極端に薄めてインクのような使い方もでき、下地の材質を選ばず、どんなところに描けるのもアクリル絵具の良いところです。

油絵具やアクリル絵具を使ってみよう

最近はコンピュータグラフィックス全盛の時代ですから、絵具を使う機会は随分と少なくなってしまいました。

しかし絵具をパレットに出し、パレット上で絵具を混ぜながら、これから何を描こうかと思いをはせる時間はとても楽しいものです。

頭の中にある世界を思いっきり紙やキャンバスにぶつけながら、出来上がっていく絵は、世界でただ一つ、あなたにしか描けない絵なのです。

毎日の仕事や学校の生活に少し疲れてしまったら。

童心に帰り、絵具と戯れてみるのもきっと楽しい時間となるのではないでしょうか。

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