「やる」と「あげる」と「差し上げる」の違い・意味と使い方・由来や例文

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「やる」は、同等以下の人や動植物に物を与えることです。

英語では「give」で表されます。

「金魚に餌をやりましたか」は「Have you fed the goldfish? 」です。

「欲しかったらみんなやるよ」は「You can have them all if you want them. 」です。

「あげる」は、「やる」を上品に言う言葉です。

英語では「give」で表されます。

「この時計を君に上げよう」は「I will give you this watch. 」「You can have this watch. 」です。

「差し上げる」は、「やる」を軽くへりくだって丁寧に言う場合に用います。

英語では「give」「present」で表されます。

「これを差し上げます」は「This is for you. 」「This gift is for you. 」です。

「もう一杯ご飯を差し上げましょうか」は「Would you like another bowl of rice? 」です。

「やる」の意味

「やる」には、多くの意味があります。

他動詞の場合、以下のような意味があります。

①目的を与えってある場所へ行かせることです。

「使いにやった」のように使います。

②物をある場所に移動させることです。

「新聞をどこへやった」のように使います。

③同等以下の人や動植物に物を与えることです。

④嗜好品を味わうことです。

「タバコをやる」のように使います。

⑤ある病気を経験することです。

「患う」と同じ意味です。

「結核をやった」のように使います。

以下のように使います。

兄の子供に小遣いをやる 赤ん坊にミルクをやる
お金をやる 優勝者に賞をやる 小鳥に餌をやる 花に肥料をやる

「あげる」の意味

「あげる」は、「やる」を上品に言う言葉です。

本来は相手を高めていう言葉でしたが、現在はむしろ同等またはそれ以下の人に対して用います。

近年は「金魚に餌をあげる」「朝顔に水をあげる」のように動植物に対しても使います。

敬度の高い人物に対しては「差し上げる」を用います。

以下のように使います。

友だちに本をあげる 線香をあげる 妹にセーターをあげる
優勝者に賞をあげる お金をあげる

「差し上げる」の意味

「差し上げる」は、以下のような意味です。

①手に持って高く上げることです。

②「与える」「やる」の謙譲語です。

軽くへりくだって丁寧に言う場合に用います。

以下のように使います。

お中元を差し上げましたのでお収めください 私が家まで送って差し上げましょう
大統領夫人に花束を差し上げた お金を差し上げる

<関連語>
「供する」は、ある物を一般の人に役立ててもらうよう差し出すことです。

「食用に供する」「参考に供する」のように使います。

「やる」は同等以下の人や動植物に物を与えること、「あげる」 は「やる」を上品に言う言葉、 「差し上げる」は 「やる」を軽くへりくだって丁寧に言う場合に用います。

「与える」「授ける」「恵む」「施す」「やる」「あげる」「差し上げる」「くれる」「くださる」「賜る」は、類語です。

「供する」「供与」「提供」「授与」「恵与・けいよ」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「ある者が、ある者の方へ利益となる物事を移動させること」です。

「やる」は、同等以下の者へ金品を移動して所有させることです。

動物や植物への餌や肥料にも使われます。

「子供を使いにやる」「手紙をやる」のように「人や物をある場所へ単に移動させる」という意味でも使います。

「あげる」は、本来謙譲語と使われていましたが、現代では丁寧語として用いられます。

多くの場合、同等または目下の者への物品の移動に用いられます。

「差し上げる」は、下位の者から上位の者へ物品を移動することです。

謙譲語として使われます。

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