履くと穿くの意味の違い
履くと穿く。
どちらも衣類に関する言葉ですが、同じ「はく」でも部位によって漢字が違います。
- 履く…足先に衣類を着けること
- 穿く…下半身に衣類を着けること
ではどの衣類にどちらの漢字が使われるのか、具体的に見ていきましょう。
履くの意味と例文
履くとは「足先に衣類を着けること」で、主に次のものに使います。
- 靴
- スリッパ
- サンダル
- 草履
これらは総じて「履き物」と呼ばれますね。
「履く」の字にはそれだけで「ふむ」という意味があります。
そのため、地面を踏むのにより近い部位=足首から下を覆うものには「履く」を使うのです。
履くの例文
- 先日新調した雨靴を履きたくて、雨が待ち遠しい。
- 大正時代の青年たちは、はかまに下駄を履いていた。
- 孫に靴の履き方を教えるのが最近の私の楽しみだ。
- ホテル内を歩く際にはスリッパをお履きください。
穿くの意味と例文
穿くとは「下半身に衣類を着ける」こと。
腰から下全体を指しますが、先に説明した「履く」にあたる部位は含みません。
「穿く」のは次のような衣類です。
- ジーンズ
- スカート
- ストッキング
- パンツ(トランクスやショーツなど)
どれも筒状で、穴の開いた衣類と言えますね。
「穿」の字は穿つ(うがつ)とも使われ、「穴を開ける」という意味を持ちます。
ですので、穴に足を通して身に着ける筒状の衣類には「穿く」を使いましょう。
穿くの例文
- 彼は足が長いので、ジーンズを穿くとさまになる。
- ダイエットに成功したらミニスカートを穿いてみたい。
- 仕事から帰って、スーツをジャージに穿き替えるとほっとする。
- 動き回る幼児にパンツを穿かせるのは一苦労だ。
靴下は履く?穿く?
筒状で、足先に着ける靴下はどっち?
履くと穿くの違いを知ると出てくるのがそんな疑問。
実は靴下はどちらの字でも構いません。
靴下については個人の解釈にゆだねられていて、著名な辞書でもそれぞれで表記が異なります。
また雑誌やインターネット上の記事では、字面のやわらかさから「履く」と表記する例が多いようです。
靴下については、自分がイメージしやすいか、読み手に伝わりやすいと思う字を使いましょう。
なお正確性が求められる文章では、ひらがなで「はく」と書くのが無難です。